日本の統治構造

日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)

日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)

「日本の統治構造
〜官僚内閣制から議院内閣制へ〜」
を読む。


官僚主導の政治から、本来のあり方であったはずの、議院内閣制、それも、議会で法案をめぐって真っ当な審議が行われるようなあり方を目指すべきというのは、現民主党政権に通じるものがある。そのためには、自民党が野党としての役割を十分に発揮するべきであろう。
得た知識としては、国によって官僚制がかなりマチマチであること。アメリカは大統領が民間から起用する。シンクタンクなどに人材がストックされている。韓国は財閥系の力で大統領の権限が非常に大きい。フランスの官僚は特権階級である。日本の官僚はイギリスの官僚に近い。


1、官僚内閣制
・内閣制度100年と日本国憲法の制定
・戦前日本の内閣制度
・議院内閣制とは何か
・逸脱した日本政治
内閣総理大臣と分担政治
・空洞化する閣議
・官僚内閣制の呪縛

2、省庁代表制
・日本型多元主議論と官僚制
・日本官僚制の特質
・積み上げ式の意思決定
・政策の総合調整
中央政府と地方政府の関係ー集権融合体制
・深く浸透する国家
・所轄による利益媒介システム



3、政府与党二元体制
・与党とは何か
・与党の政策審議機構
・合議(あいぎ)の相手方としての国会議員
族議員の隆盛
・派閥と政治家人事の制度化
・政治家と官僚の役割の交錯




4、政権交代なき政党政治
・議院内閣制と政党政治
・一党優位性
・目的なき政権
・空洞化する国会
・野党のあいまいな機能
・足腰が弱い政党と民意集約機能




5、統治機構の比較(議院内閣制と大統領制
・権力集中と分散
・政官関係
・多数派民主政と比例代表民主政


6、議院内閣制の確立
・日本の政治に何が欠けていたのか
・議院内閣制をどのように作動させるのか
・政治・行政改革による近年の構造変化
・残された改革課題



7、政党政治の限界と意義
・2院制
・官僚制の再建
・司法の活性化
国家主義の融解
・議院内閣制と政党政治の将来