electric book

電子書籍について

 現在の著作権法上では、再販売価格維持制度というものが存在し、それが本を電子書籍にする際のネックになっているらしい。再販売価格維持制度とは、小売りをする際に、定価で売ることを義務づけるもの。ちなみにこの再販売価格維持制度は諸外国では撤廃されており、日本でも撤廃の議論はなされている。

 再販売価格維持制度は、もともと著作権者の利益を守るために作られた制度であると考える。確かに昨今の音楽の違法行為ぶりを見ると、これで音楽業界は食っていけているのだろうか、むしろ、アイドルのCDや一部のファンだけがCDを買うようになり、音楽業界が衰退していくのではないだろうかと思ったことはある。本に関しても同じ議論がなりたつだろう。

 しかし、私は、電子書籍の普及には再販売価格維持制度のほかにももっと術があるのではないかと思う。生活者視点で考えると、そもそも、電子書籍って必要だろうか。私は本屋というハードがすでに存在している以上、ネット上の仮想本屋に行くよりも、ちょっと散歩がてら本屋に行ったほうが何倍も便利だと思う。よって現状では電子書籍はいらない。
 しかし、電子書籍がほしいと思うときもある。それは電車等で本を持ち歩いている時や、内容を検索したくなったとき、また、前に読んだ本をもう一度ふと読みたくなった時だ。電子書籍の利便性は、電子書籍端末だけではなく、PCの技術、ネット検索の技術、そしてもしかしたらARの技術等も含めて、パッケージでもう一段階の発展が必要なのではないかと思う。