ヒネた見方

建設業はGDPの中で1割程度である。
土木と建築で半々ぐらいであろうか。
そのうち住宅は何割を占めるのか。
スーパーゼネコンの売り上げが1兆円ぐらいか。
確か建設業全体で50兆円ぐらいだったから、
日本のGDPは500兆円ぐらいか。

この辺の数字に興味が出てきたのはつい最近である。
大学の中にいるとその学科が世界のすべてのように思えるが、
実はGDPの中ではそれほど大きな位置を占めていないのではないか。(十分大きいともいえるけど。)
少なくとも、建築・建設業を知っているからといってすべてがわかっていると思うのは間違いだ。
扱っているものが多岐にわたるし、実際に目に見えるものであり、単価も高いので、それが世界のすべてのように思えるが、実際には数ある業種の中の一部であるという認識を持つ必要があると思う。

関係ない話。
卒表製作はヒネた見方をすれば、「設計やりたい人」のために就職に有利な「賞」をあげるための場だとつくづく思う。結局賞を貰った人は就職がうまくいき、貰っていない人は設計に就職するのに苦労するかあきらめる場合が多い。設計志望の人の就職環境がそうなっているから仕方ないし、そもそも採用する側からしたら卒業設計ぐらいちゃんとやってくれていないとこの先不安、というのもあるのかもしれない。しかし、わざわざそのためだけに毎年派手なお祭りをやる必要はないと思う。そのために何万もつぎ込んだり、何年も前から準備しているのはそれだけの意気込みの表れということもできるが、もっと他にやるべきことがあるのではないかと思うことがある。それに、卒業製作の採点基準も何を基準にしているのだろうか。やる気よりも、奇抜さやアート性が評価されるとしたら、はっきり言って社会が求める設計者のニーズにあっていないのではないかと思う。何故一部の設計志向の人、それも自己表現が大好きなアーティストの自己満足と就職活動ために他の人までがその時間とやる気を犠牲にしなければならないのか僕には理解できない。設計は基本的に選択性にすればいいと思う。