イノベーションのジレンマ

クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」を読む。
優良企業が顧客の声に耳を傾け、優秀な経営を行うがゆえに、破壊的イノベーションによってシェアを奪われ、最終的には上位シェアまで奪い取られてしまうという恐ろしい物語。

原則
・企業は顧客と投資家に資源を依存している
・小規模な市場では大企業の成長ニーズを解決できない
・存在しない市場は分析できない
・組織の「能力」は「無能力」の決定的な要因となる
・技術の供給は市場の需要と等しいとは限らない。

たしかに、「こんな機能いらないよ」って思うもの、特に家電製品などに多い。技術の供給が市場の需要と乖離しているときは、破壊的なイノベーションが起こりえるだろう。組織の能力もうなずける。人々の能力が高いと、自分の能力が十分に発揮されると思われるプロジェクトにしか興味を示さない。その結果、破壊的イノベーションに見向きもしなくなり、結果的にその組織からは破壊的イノベーションに対処する能力がなくなってしまうことになる。

・バリューネットワーク→バリューチェーンのもっと広い概念か。価値を生み出す体系

ステップ
・破壊的技術は、まず既存企業で開発される
マーケティング担当者が主要顧客に意見を求める
・実績のある企業が、持続的技術の開発速度を上げる
・新会社が設立され、試行錯誤の末、破壊的技術の市場が形成される。
・新規参入企業が上位市場へ移行する
・実績ある企業が顧客基盤を守るために遅まきながら時流に乗る。

組織の能力の枠組み
・資源
・プロセス
・価値基準

製品進化モデル
・機能
・信頼性
・利便性
・価格

既存企業の手法
・独立した組織を作る(スピンアウト)
・破壊的企業を買収する。→それぞれの組織の長所を考慮する。



イノベーション担当者にとって、破壊的イノベーションを開発できないことは、マーケティングの失敗なのではないかと考えられる。そのため、「イノベーションのジレンマ」は、「マーケティングのジレンマ」とも考えることができる。マーケティングの手法はまだあまり知らないが、主要顧客の声を聞くだけでなく、潜在的な需要を掘り起こし、どのように破壊的イノベーションの可能性に気づくことができるかが重要であると思う。マーケティングに関しても勉強してみたい。