hope

「希望を捨てる勇気」(池田信夫)を読む。
日本経済は停滞期に入ったので、むやみに希望を持ってはいけない。労働集約的な産業はアジアに生産拠点を移し、日本の国内には技術集約的な産業だけが残る。そのとき、技術を持たざるものは国内に居場所はない。派遣や雇用問題が深刻化しているのはこの影響である。だから、派遣を救うということを考える時には、単に救済をするのではなく、雇用の流動化(生産性の低い労働者の解雇)と、技術教育が必要だというもの。
・官庁は昔は花形の就職先だったが、天下りが禁止されると、50歳を超えた職員は行き場がなくなり、窓際にならざるを得ない。だから、アメリカのように、民間の中立シンクタンクが官庁の役割を担うようにすれば、良いのではないか。天下りを単に禁止するのではなく、人材を流動化させることで、出世コースから離れた人材を適材適所で受け流すような仕組みが必要だ。
・gdp生産率は、金融保険業の伸びが圧倒的。
・日本の生産性上昇率は、実は製造業はあまり下がっていない。サービス業や公共サービス業で下がっており、非効率が存在する可能性がある。
・東京の公共事業費は島根県の1.5倍しかなく、通勤地獄はいつまでたっても解消されない。都市はグローバルな戦場で戦うべきで、地方はリゾートにしか生き残る道はない。
・「ターゲティング派」と「フレームワーク派」の対立。
・比較優位→「アインシュタインがタイピングがうまくても、彼がタイプしてはいけない。
・次世代スーパーコンピューターは技術振興以前に問題がある。発注者はNECから理化学研究所に「天下り」した人物である。クラウド・コンピューティング全盛の時代に意味はあるのか。
・電波の開放は重要な政策である。電波周波数帯で使われていないもの(ホワイトスペース)がかなりある。それを民間に開放することで、イノベーションが計れるのではないか
・フランクナイトの理論では、ギャンブルはトータルで見ると必ず損をするが、賭ける人が「自分だけは儲かる」と信じて投資することがギャンブルの発展につながる。株式市場も同じだ。
・「どうでもいい情報を万人に流すマスコミ」か「個人的な会話」出しかなかったメディアが、その中間に位置するツイッターなどの出現により、新たなバランスを模索するようになる。

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学