guns, germs and steel

「銃、病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド)を読む
・人間社会の発展に関して、ある文明が起こったり、廃れたりする要因は、銃などの技術の発明や、病原菌への対抗性、それに、鉄などの天然資源があったかどうかによるところが多い。そしてそれらは、地形的な要因によるものであり、その中で狩猟採集の形態から農耕牧畜へ変化させることにより、定住と人口の増加をもたらし、文字などによる情報・知識の蓄積により、更なる社会の発展が可能になった。環境決定論的な要素もあるが、もちろん偶発的な要素もあっただろう。しかし、多くの事例の中で分かる範囲の共通要素を取り出していくことによって見えてきたものは、環境決定論的なものが大きいということだった。

環境とは人間を取り巻くものすべてと解釈すれば、人間は環境に依存して生きており、社会も環境によって変化させられうるといえる。地球環境問題やグローバル化などの中でこれからの私たちを取り巻く環境がどう変わっていくのか、そしてそれらは私たちをどう変えていくのかということを考えさせられる本だった。