M&A in new era
「M&A新世紀−ターゲットはトヨタか新日鉄か?−」(岩崎日出俊)を読む。
「ハゲタカ」の世界を解説し、日本の大企業であってもM&Aの標的になりうることを警告している。
・マイクロソフトの役員報酬は任天堂の約7倍。時価総額は4倍、だがWIIはXボックスの1.6倍を売り上げている。そのため、MSには任天堂を買収するインセンティブがある。しかし、役員報酬が少なくても働くことを厭わない「何か」が存在する。それは、純粋に任天堂でゲームを作ることの楽しさだったりする。そうすると、MSが任天堂を買収した途端にクリエイティビティが下がる可能性も考えられる。よって、この買収は「戦略的」ではなく、成立しない。
・そうは言っても、「敵対的買収」が成立しない市場というのは非効率である可能性がある。東証に上場されている2300社がすべて効率的な経営をしているということはありえないのではないか。
・「マイノリティ投資(少しの投資)で海外企業を間接投資」は戦略的なミスがある。ドコモも海外投資はマイノリティ投資で失敗した。
・投資銀行は投資もしないし、銀行でもない。アドバイスを提供する。
・M&A新世紀で頭角を現した企業は必ずしも大国の企業ではない。ビールのインベブはベルギー、SABは南アフリカだ。衣料品店のH&Mはスウェーデンで鉄鋼のミタルはインドの会社である。
- 作者: 岩崎日出俊
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2009/10/24
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